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2025/07/24
口腔外科・親知らず
「口腔領域のirAE：口腔粘膜炎の驚くべき事実！」
免疫チェックポイント阻害剤（Immune Checkpoint Inhibitors: ICI）は、近年がん治療の革新的な手法として注目を集めています。ICIは、がん細胞によって過剰に発現される免疫チェックポイントをブロックし、免疫系の活性化を促すことでがん細胞を攻撃するメカニズムを持っています。しかしながら、ICIの使用に伴い、免疫系の活性化が過剰になり、正常な組織や臓器に対する自己免疫反応が引き起こされる副作用、すなわち免疫関連副作用（Immune-Related Adverse Events: irAE）が生じることがあります。
irAEの中で、口腔領域において口腔粘膜炎が発症することが報告されています。口腔粘膜炎は、口腔内の粘膜が炎症を起こし、痛みや不快感を引き起こす症状です。ICIによる免疫系の活性化が、口腔内の粘膜に対する自己免疫反応を引き起こすことで口腔粘膜炎が発症すると考えられています。
口腔粘膜炎は、口内炎や口内炎様病変、口内の乾燥感、口内の痛みや灼熱感などの症状を引き起こすことがあります。また、口腔粘膜炎による症状は、口腔内の細菌感染リスクの増加や摂食障害を引き起こす可能性があります。そのため、irAEとして口腔粘膜炎が発症した場合には、早期の診断と適切な治療が必要とされます。
口腔粘膜炎の治療には、口腔内の炎症を鎮めるための局所的な治療が主に行われます。口腔内洗口薬や炎症を抑える軟膏、口腔内の保湿剤の使用が推奨されます。また、重症な場合にはステロイドや免疫抑制剤の使用が検討されることもあります。さらに、口腔粘膜炎の治療には、口腔衛生の改善や栄養補助の摂取など、総合的なアプローチが必要とされます。
口腔粘膜炎の発症リスクを最小限に抑えるためには、治療前に口腔内の健康状態を評価し、口腔ケアの指導を行うことが重要です。また、ICI治療を受ける患者には、口腔内の症状や不快感に対する早期の報告を促すことで、口腔粘膜炎の早期発見と適切な対応を行うことが必要です。
口腔粘膜炎の管理においては、患者の個別の症状や状況に応じた適切なアプローチが求められます。口腔内の炎症が軽度な場合には、局所的な治療や口腔内の清潔を保つことで症状の改善が期待されます。一方、重症な口腔粘膜炎の場合には、口腔外科医や歯科医師との連携を図りながら、適切な治療方針を検討する必要があります。
口腔粘膜炎の治療においては、症状の軽減だけでなく、再発予防や合併症の管理も重要です。口腔内の炎症が治まった後も、口腔衛生の状態を定期的にチェックし、口腔内の健康を維持することが必要です。さらに、口腔粘膜炎の治療においては、患者とのコミュニケーションを大切にし、治療方針の共有や患者の負担軽減を心がけることが重要です。
口腔粘膜炎は、ICI治療を受けるがん患者にとって重要な副作用の1つであり、適切な管理が求められます。患者の口腔状態の定期的なモニタリングや口腔内のケアの指導が、口腔粘膜炎の予防や早期発見に役立ちます。また、口腔粘膜炎の治療においては、がん治療との調和を図りながら、患者のQOL（Quality of Life）を維持することが重要です。従って、irAEとしての口腔粘膜炎に対する適切な対応は、患者の治療成績や生活の質向上に貢献する重要な要素となります。
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この記事を書いた人
歯科医師 厚生労働省認定 臨床研修指導歯科医
上垣 公彰
プライベートでは２人の父親です。
２人ともむし歯はありません！！
私が実践した、こどもをむし歯にしない方法をお伝えします。
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