2025/10/28
歯周病治療
「歯周病の根源、F.n.菌に迫る!」
Fusobacterium nucleatum(F.n.菌)は、口腔内に広く存在するグラム陰性の細菌であり、歯周病の進行において重要な役割を果たすことが知られています。F.n.は、他の口腔内細菌との相互作用を通じて歯周病の病原性を高めることが報告されており、特にPorphyromonas gingivalis(P.g.菌)などの歯周病原菌との共生関係が注目されています。
P.g.菌は歯周病の主要な病原菌の一つであり、口腔内での増殖を促進するためには特定の環境が必要です。F.n.菌は、P.g.菌の生育しやすい環境を作り出すことで、歯周病原菌の増殖を手助けすることが報告されています。具体的には、F.n.菌が歯周ポケット内でバイオフィルムを形成し、P.g.菌など他の細菌との相互作用を通じて病原性を高めると考えられています。
歯周ポケット内の微小環境は、酸素濃度や栄養状態などが異なるため、歯周病原菌の増殖に適した環境となります。F.n.菌は、このような微小環境を利用して、P.g.菌など他の歯周病原菌との共生を促進し、歯周病の進行を加速させると考えられています。
さらに、F.n.菌は宿主の免疫応答を調節する能力を持っており、それによって歯周病原菌の増殖を抑制する免疫応答を阻害することが報告されています。このようなメカニズムによって、F.n.菌は歯周病原菌の増殖を助長し、歯周病の進行を促進することが可能となっています。
F.n.菌は口腔内だけでなく、他の部位においても関連疾患の発症や進行に関与しているとされています。例えば、F.n.菌は大腸がんや子宮頸がんなどのがんのリスクを高める可能性があるという研究もあります。口腔内から他の部位への細菌の移行や炎症反応の誘発などが、これらの関連疾患の発症に影響を与えると考えられています。
F.n.菌は抗生物質に対しても耐性を持つことが知られており、これが歯周病の治療や予防において課題となっています。抗生物質の使用が頻繁に行われると、耐性菌の選択圧がかかり、耐性細菌の増殖が促進されるため、効果的な治療法の開発が求められています。
以上のように、F.n.菌は口腔内環境や健康に大きな影響を与える細菌であり、その病原性や耐性メカニズムについての研究が重要性を増しています。今後の研究によって、F.n.菌と歯周病や他の関連疾患との関連性やその治療法についての理解が深まり、より効果的な予防策や治療法が提案されることが期待されています。
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この記事を書いた人

寺田町おとなこども歯科矯正歯科
厚生労働省認定 臨床研修指導歯科医
厚生労働省認定 臨床研修指導歯科医
上垣 公彰
寺田町おとなこども歯科矯正歯科の上垣公彰です。
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プライベートでは2人の父親です。
2人ともむし歯はありません!!
私が実践した、こどもをむし歯にしない方法をお伝えします。
趣味はマンガと旅行です。
最近ハマっているマンガトップ3!!
1,信じていた仲間たちにダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間たちを手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!
2,キン肉マン
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もう一度いきたい場所は
長野県のアルプス公園です!!
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